なぜ復職の準備は必要なのか?
こんにちは。あつき@うつ病会社員(@conttogrow_pro)です。
これから何回かに分けて、復職に関する記事を書いてきます(途中で挫折するかもしれません笑)。
今回のテーマは「なぜ復職の準備は必要なのか?」です。
筆者は仕事でうつ病(双極性障害)になり、3度の休職と復職を経験しました。
現在はその体験談をもとに『うつ病と共に働く』をテーマに発信活動をしています。
2022年5月に3度目の復職を果たし、現在まで継続して働いているよ
データが示す『継続して働くことは難しい』
復職後、働き始めてすぐに体調を崩し、再休職する方が多いということをご存知でしょうか。
以下のようなデータがあります。
- メンタル不調の復職者で再休職した人の割合は、復職日から6ヶ月で19.3%、1年で28.3%、2年で37.7%、5年で47.1%であった(*1)
- また、再休職の発生割合は復職後1年に57.4%、2年に76.5%と集中していた(*2)
- 復職に失敗した経験がある人は51%(*3)
*1*2…主治医と産業医の連携医に関する有効な手法の提案に関する研究(平成28年度 総括・分担研究報告書)
*3…Twitter(X)でのアンケート(2023/8/15実施)
この数字に驚いた方は多いのではないでしょうか。
復職した人の約2人に1人が、病気の再発や症状の悪化などの何らかの事情により、働き続けることができなくなり再休職しています。
かく言う私も復職を3回経験していますが、そのうちの2回は復職から1か月で再休職を余儀なくされました。
どちらも病気の症状悪化が原因でした。
データからも私の体験からも分かるように、復職後、継続して働くことは非常に難しいです。
復職を目指している方には、まずこのことを念頭に置いてほしいです。
復職後、2つのルートに分かれる
大変な治療期間を経て復職(社会復帰)した時、あなたの目の前には2つの道が見えてきます。
それは「継続して働く道」と「病気を悪化(再発)させて再休職する道」です。
先ほどのデータから、復職者は各道に半々に分かれていくことになります。
ほとんどの人が継続して働くことを望んでいると思いますが、知らぬ間に再休職する道に進んでしまいます。
それはなぜでしょうか?
ここからは「継続して働く人」と「再休職する人」の違いに着目してお話しします。
と、その前に本記事で使用する言葉の意味を定義します。
本記事内では「復職成功」「復職失敗」という言葉を使用します。
- 復職成功…復職後も継続して働けること
- 復職失敗…上以外
本記事で目指す目標を端的に示すためのものであり、他に意味はありません。
先ほどの「継続して働く人」と「再休職する人」を言い換えると、「復職に成功する人」と「復職に失敗する人」になりますね。
これから「復職に成功する人」と「復職に失敗する人」の違いを見ていきます。
違いを見ていく上で、ちょうど良いサンプルがあります。
そう、私です笑
筆者の復職まで道のりを紹介させてください。
2018年4月:入社
2018年8月:忙しい部署に配属
2019年4月:鬱の症状が出る
2019年9月:うつ病と診断される。働きながら治療をスタート
2020年6月:1回目の休職
———1ヶ月間の休職———
2020年7月:1回目の復職
2020年8月:2回目の休職
診断名が双極性障害に
———8ヶ月間の休職———
2021年4月:2回目の復職
2021年5月:3回目の休職
———11ヶ月間の休職———
2022年12月:リワークに通所スタート
2022年1月:うつ症状が無くなる
2022年5月:3回目の復職
2023年5月:復職1年経過
現在まで継続就労中
経歴を見て分かる通り、1,2回目の復職は失敗、3回目の復職でようやく成功しました(今のところ)。
現在、大きな休みなく継続して働けていますが、ここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
復職に成功する人と失敗する人との違い
3回の復職で失敗も成功も経験した私ですが、「失敗時と成功時の違いは何なのか?」と問われれば、答えは明確です。
それは復職前に準備をしていたか否かです。
筆者の経験を思い返しても、X(旧Twitter)で復職に成功した人を見ていても分かりますが、復職後も継続して働いている人たちは復職前に相当な準備をしています。
一方、復職に失敗した人(私を含め)は、十分な準備をしないまま慌てて復職しています。
復職に失敗する人が準備なしで復職していく理由は、これまた明確で『復職自体をゴール』と捉えているからです。
もう少し詳しく説明すると、復職に成功した人は『どうやったら継続して働けるか』を考えているのに対し、復職に失敗した人は目先の復職自体しか見ておらず、復職後について考えていません。
復職に失敗する人は、復職後に仕事の日々がずーっと続いていくということがイメージできていません。
そのため準備なしで復職に臨みます。
しかし休職者が本当に目指しているのは、復職後も継続して働くことであるはず。
私はよく『復職はゴールではなく、スタート』と言います。
声を大にしてもう一度言いますが、復職してからが本当の始まりです。
復職に失敗するとどうなるか?
復職に成功する人と失敗する人の違いを解説してきました。
しかし復職に失敗する人たちはここまで読んでも準備をせず復職するでしょう。
立ち止まってもらうために、復職に失敗するとどうなるかを考えてみましょう。
復職→病気の悪化(再発)→再休職
ここまでは多くの人が想像できると思います。
しかしここで気づいて欲しいのは、再休職するということは働くことができないほど病気が悪化しているということです。
つまり、病気の治療が振り出しに戻ります。
上のフローを修正すると
復職→病気の悪化(再発)→再休職→治療のやり直し→・・・→復職の準備→再復職
再休職の後には、再び地獄の日々がやってきます。
またこれは体験した人にしか分からないと思いますが、再休職した時の絶望感は半端ないです。
(すごく幼稚な表現でごめんなさい。)
私は3回休職しましたが、再休職すればするほど苦しみが大きくなっていきます。
自信も挫かれます。
次の復職の壁は1回目の復職とは比にならないほど、高く感じます。
そしてあらゆるリミットが迫ってきます。
傷病手当の受給期間のおわり、お金、休職期限など。
私がここまで「復職は準備して臨むべき」という理由は、復職前の準備が真の意味での社会復帰までの時間を早めるからです。
準備して復職ルート:治療→しっかり準備→復職→働き続ける(社会復帰)
再休職ルート:治療→(準備なし)復職→再休職→治療→、、、
どっちが早いかは明らかなはずです。
以上より「復職は準備なしでするものではない」というのが私の意見です。
まとめ:復職は準備がすべて
今回のおさらいです。
- 復職後、継続して働くのは難しい(復職後1年以内に約6割が再休職)
- 復職に失敗する人は、復職自体を目標にする
- 復職に成功する人は、復職後に継続して働くことを目標にする
- 復職はゴールではなく、スタート
- 復職に失敗(再休職)すると、すべてがやり直しになる
今回は復職前の準備の重要性をひたすら説いてきました。
復職前の準備に関しては、今後記事を書いていきます。
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最後までお読みいただきありがとうございました