復職OKの基準(これができたら復職OK)|3度の復職経験者が解説

こんにちは、うつ病会社員のあつきです(@conttogrow_pro)
今日は「復職OKの基準」についてお話します。
復職OKの基準とは、これができたら復職がうまく行く可能性が高いよ!というものです。

筆者は3度の休職と復職を経験しました。
1、2度目の復職は、復職後1ヶ月で体調が悪化し再休職。
現在は3度目の復職に挑戦し、今日まで再休職することなく仕事を続けられています(2022年5月に復職しました)。
何度も復職する中で最低限これができていないと復職は成功しないぞというラインが分かったので解説します。
復職に向けて頑張っているよという方には参考になると思います。
最後までお付き合いください。
復職は慎重にしたほうがいい
「復職OKの基準」を説明する前に、皆さんにお伝えしたいことがあります。
それは「復職は慎重にしたほうがいい」ということです。
うつ病で休職している人の大部分は、様々な事情から焦って復職していきます(しかも本人は焦っていることに気づいていません…)。
「病気が良くなったから、もう大丈夫!」という正しい判断であれば問題ないのですが、そうではない場合が多いのです。
焦って復職する理由はさまざまです。
- お金がない
- 休職期間が終わる
- 家族に急かされる
- これ以上休んでいても状況は変わらなそう…

筆者もその一人でした
しかし焦って復職した結果は、体調を崩して再休職です。
復職に失敗すると、スゴイ絶望感を味わいますし、なにより病気が悪化しているため治療が振り出しに戻ります。
状況を変えようと復職にのぞんだのに、復職する前より状況は悪くなってしまうのが残酷なところです。
では何がいけなかったのでしょうか?
答えは単純で、復職するべき状態ではないのに復職したことです。
そのため筆者は、復職OKの基準を明確にし、それをクリアできるように準備すること大切であると考えました。
「え、でも、主治医の復職OKの判断が基準じゃないの?」と思う人もいるでしょう。
しかし現実は医者が復職をOKしたにも関わらず、多くの人が復職に失敗しています。
つまり医者の復職可否の判断がけっこう間違っているということです。

主治医の復職OKの判断が正しいなら、僕は2度も復職を失敗していないですよね
ただしこれに関しては医者を責める気はありません。
医者が間違えるほど復職可否の判断は難しいことだと思っています。
ここまで読んだあなたは「じゃあ何を基準にしたらいいんだ」といま思っていると思いますが、この記事では当事者である筆者が復職OKの基準を解説します。
この基準を用いて復職できる状態か判断していただくとともに、復職までの目標として捉えていただけると嬉しいです。
この記事を読んだあなたの復職が成功することを願っています。
復職OKの基準
前置きが長くなりました。
というわけで復職OKの基準を解説します。
10個あげたので、1つ1つ詳しく見ていきましょう!
- 病気の症状が治まっている
- 復職を楽観的に捉えられている
- 復職を失敗した時の未来を前向きに考えることができている
- 復職後と同じ生活リズムで過ごせている
- 復職後に通勤している時間に外出できている
- 1日8時間集中して作業に取り組むことができている
- 1日の疲れをその日のうちに回復することができている(週5日労働できる)
- 病気発症の原因を取り除けている
- 再発しにくい状態になっている
- 体調が悪化した時の対処法を考えている
①病気の症状がおさまっている
当たり前のことですが、病気の症状がおさまっている必要があります。
復職するとあなたの想像以上に大きなストレスがかかります。
そのため病気の症状は悪くなることはあっても、良くなることはありません。
復職後メンタルは悪化すると言っても過言ではありません。
病気の症状がおさまっていない人はこれに耐えられません。
まずは治療に専念してください。
②復職を楽観的に捉えられている
復職について考えると誰しも不安になるのは当然です。
ただしそれが度を過ぎている場合は要注意です。
「もう復職しても大丈夫だろう、きっと上手くいく」とゆるく考えられているのが大事です。
筆者は1度目2度目の復職時は、復職日が近づくにつれて不安が強くなり体調を崩していました。
不安が強くなりすぎる人は、病気の症状がおさまってないとも言えます。
③復職失敗時の未来を前向きに考えることができている
僕の経験からもネットを見ていても思いますが、「この復職が失敗したら終わりだ」とか「この復職が失敗したら死のう」とか考えている人は、確実に復職を失敗します。
この悲観的な考えの時点で、病気の症状はおさまっていません。
病気がおさまっている人はもっと前向きです。
「もし復職がしても大丈夫、また休めばいいや」「今の職場は合わないということだから、転職しよう」「次は障害者雇用にトライしてみようかな」
病気の症状がおさまっている人はこんな風に前向きに未来を捉えます。
これぐらい肩の力抜けてないと復職は成功しないでしょう。
④復職後と同じ生活リズムで過ごせている
①②③からは更に一歩先進みます。
まずは生活リズムです。
うつ病になって体調が悪くなったことで、寝込んでいたという人が多いと思います。
日中の多くをベッドで過ごしていたので、生活リズムが乱れています。
復職するためには仕事をしている時と同じ生活リズムに戻す必要があります。
チェックしたいのは
- 起きる時間
- 寝る時間
- 食事をとる時間
仕事をしている時と同じ時間にできていますか?
⑤復職後に通勤している時間に外出できている
復職する際に医者や産業医がよく通勤練習をさせますが、これには理由があります。
- 生活リズムを整える
- 体力をつける
- 人との接触する時間を増やす
特に人との接触する時間は大事です。
うつ病の人は治療期間の多くを家に引きこもって過ごします。
そのため外に出て人と会ったり、大勢の人がいる空間に行ったりすることに強いストレスを感じます。
出社するまでの通勤経路、出社後の会社で、人と必ず接触しますので慣れておく必要があります。
⑥1日8時間集中して作業に取り組むことができている
仕事をする以上、1日8時間集中して作業を取り組める必要があります。
日中に何か集中して作業することができていますか?
能動的でアウトプットをする作業をしてください。
例えば
- 本や新聞などを読んで、内容の要約と感想をまとめる
- 資格の勉強をして問題を解く
- 仕事に役立つスキルを勉強して何か実際に作ってみる
こう行ったことに1日6時間以上取り組めていないと、復職しても体力的にしんどいです。
⑦1日の疲れをその日のうちに回復することができている
1日頑張って活動したけれど、次の日は寝込んでしまう…
これでは復職しても毎日出社することができません。
1日8時間✖️5日間が出社できる必要があります。
そのためには1日作業して疲れた分をその日のうちに回復できなければなりません。
1日活動して寝たら元の状態に戻っていることが大事です。
これができていないのに復職すると、徐々に消耗していき最後は倒れるのは目に見ています。
⑧病気発症の原因を取り除くことができている
あなたがうつ病になったのには必ず原因があります。
- 長時間労働による過労
- 上司からのパワハラ
- 職場の人間関係が悪い
- 過度なプレッシャによるストレス
- 認知に歪みがある
この原因をを取り除いておかないと、うつ病は再発します。
上の例で言えば
- 長時間労働による過労→仕事の量を減らしてもらう
- 上司からのパワハラ→上司を変えてもらう
- 職場の人間関係が悪い→職場を変えてもらう
- 過度なプレッシャによるストレス→仕事の内容を変えてもらう
- 認知に歪みがある→認知行動療法を学ぶ
仕事でうつ病になった人の多くは、職場環境に問題を抱えているので、会社に交渉して改善してもらう必要があります。
病気になる前と同じ状態で同じに環境に戻れば、うつ病が再発するのは容易に想像できると思います。
うつ病の原因を取り除けてない状態でのぞんでも、復職は失敗に終わるでしょう。
⑨再発しにくい状態になっている
⑧にプラスして病気を再発させない強い自分になっている必要があります。
具体的には
- 運動習慣をつける
- 睡眠の質を上げる
- 食習慣を見直す
- ストレスに対処する方法を学ぶ
- ストレス発散方法を考える
- 考え方を変える
- 認知行動療法を学ぶ
特に認知行動療法を学ぶは必須ですね。
うつ病の再発率は50%で非常に再発しやすい病気です。
再発予防策を持っていないとほぼ再発すると思ってください。
あなたは再発予防策を持っていますか?
⑩体調が悪化した時の対処法を考えている
どんなに復職時に元気であった人も、長く働けば体調が悪化する時があります。
その時にどうするか決めおく必要があります。
ちょっと悪化した時、中程度悪化した時、かなり悪化した時
それぞれの対処方法を決めておきましょう。
特に再休職するラインは決めておいた方がいいです。
体調がかなり悪化しているのにも関わらず休むことができず、最悪の状態まで行ってしまう人がいます。
ここまで行くと治療が振り出しに戻り、治療に長時間要することになります。
- 病気の症状が治まっている
- 復職を楽観的に捉えられている
- 復職を失敗した時の未来を前向きに考えることができている
- 復職後と同じ生活リズムで過ごせている
- 復職後に通勤している時間に外出できている
- 1日8時間集中して作業に取り組むことができている
- 1日の疲れをその日のうちに回復することができている
- 病気発症の原因を取り除けている
- 再発しにくい状態になっている
- 体調が悪化した時の対処法を考えている
復職の準備はリワークがおすすめ
ここまで復職OKの基準を解説しました。
多くの人はまだ「復職OKの基準」に達していなかったのではないでしょうか。
特に下記に取り組めていない人が多いです。
- ④復職後と同じ生活リズムで過ごせている
- ⑤復職後に通勤している時間に外出できている
- ⑥1日8時間集中して作業に取り組むことができている
- ⑦1日の疲れをその日のうちに回復することができている
「多分できるよ」と思ったあなた!実際にやってみてください。
99%できません。
これらを最低でも1ヶ月以上継続できることが望ましいです。
筆者は3度目の復職時は4ヶ月ほど続けました。
「全然できてないけどどうしよう」と思ったあなた!
逆を言えばこれらが出来るようになれば、復職が成功する可能性は非常に高いです。
復職OKの基準をクリアできるように、復職に向けて準備をしていきましょう!
「でも復職の準備はどうやっていけばいいの?」と思った人には、筆者はリワークをおすすめします。
リワークとは「return to work」の略語です。
うつ病などの精神疾患が原因で休職している人が、職場復帰と再発予防を目的に受けるリハビリのことを言います。
簡単に言うと、リワーク=復職に向けたトレーニングです。
リワーク施設では、支援を受けながら復職の準備を進めていきます。
リワークで復職の準備をすると、復職後も継続して働けることが分かっています。

リワークを利用してない場合、3年以内に80%以上の人が辞めています。
一方、リワークを利用している場合、3年以内に辞めている人は30%程度です。
このことから復職を成功させるためにリワークは有効であると言えます。
リワークを受けられるのは「医療機関」「障害者職業センター」「就労移行支援」があります。
障害者職業センターは業務訓練に重きを置いてるため、個人的にはおすすめしません。
まずは通院している病院でリワークプログラムがあるか確認しましょう。
もし、通院している病院でやっていなければ就労移行支援を探しましょう。
就労移行支援のおすすめは下記にまとめていますので参考にしてください。

まとめ:復職はゴールではなく、スタート
- 病気の症状が治まっている
- 復職を楽観的に捉えられている
- 復職を失敗した時の未来を前向きに考えることができている
- 復職後と同じ生活リズムで過ごせている
- 復職後に通勤している時間に外出できている
- 1日8時間集中して作業に取り組むことができている
- 1日の疲れをその日のうちに回復することができている(週5日労働できる)
- 病気発症の原因を取り除けている
- 再発しにくい状態になっている
- 体調が悪化した時の対処法を考えている
いかがだったでしょうか?
復職OKの基準を読んで、復職は大変なことだとが分かってもらえたと思います。
しかし、復職OKの基準をクリアできれば、復職の成功確率は非常に高くなります。
少しずつでいいので復職OKの基準をクリアできるように準備していきましょう。
最後になりますが「復職はゴールではなく、スタート」という言葉を伝えさせてください。
多くの人は「復職すること」を目標にしますが、正しい目標は「復職後も継続して働くこと」です。
復職して終わりではなく、復職後には仕事の日々が待っています。
休職しない限り仕事をする生活は続いていくのです。
そのために復職の準備が大切なんです。
「復職後も継続して働くこと」を目標に、復職準備に取り組んでいきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。