おすすめの就労移行支援を知りたい!
このように思っている方は、多いのではないでしょうか。
「就労移行支援」とは、一般企業への就職を目指す障害者を対象にした、就職サポートのことを言います。
全国には3500件以上の就労移行支援事業所があり、あなたのお住まいの地域にもたくさんの事業所があります。
しかし、同じ就労移行支援と言う名前でも、「支援に対する考え方」や「取り組む内容」は事業所によって様々です。
そのため、自分に合った事業所を探すことが大切です。
今回は、就労移行支援の選び方とともに、おすすめの就労移行支援を解説します。
記事内容は以下の通りです。
- 就労移行支援を利用する前に知っておきたいこと
- 就労移行支援はこんな場所
- 就労移行支援事の正しい選び方
- 就労移行支援のおすすめ5選
- 就労移行支援を利用するまでの流れ
本記事を読むことで、あなたに合った就労移行支援を見つけられます。
筆者は、実際に就労移行支援を利用しました。実体験をもとに解説します
分かりやすく解説していきますので、最後までお付き合いください。
就労移行支援を利用する前に知っておきたいこと

まずは、就労移行支援の基本的な情報を解説します。
就労移行支援ってなに?
そもそも就労移行支援とはなんでしょうか。
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す障害者を対象にしたサービスです。
就職に必要な知識やスキルを習得、就職後も職場に定着できるようにサポートを受けられます。
イメージは、就職のための学校です。
様々なサポートを受けながら就職を目指します。
就労移行支援を利用できる人
就労移行支援は、下記に該当する人が利用できます。
- 精神障害・発達障害・知的障害・身体障害・難病のある方
- 65歳未満の方
- 一般企業へ就職を希望する方
障害者手帳を持っていなくても利用可能です。
筆者は、復職のために利用しました
就労移行支援の利用期間
就労移行支援の利用期間は、原則として2年間と定められています。
そのため、2年以内に卒業する必要があります。
(ただし、利用期間の延長が認められることもあります。)
半年から1年利用して、卒業する利用者が多いです。
利用開始時に事業所のスタッフと相談し、卒業予定時期を決めます。
筆者は、半年後卒業を目標にし、4ヶ月半で卒業しました
就労移行支援の料金
就労移行支援の料金は、利用者の収入状況によって異なります。
自己負担の月々の上限金額は、前年度の住民税に応じて決まります。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
負担上限月額9,300円の場合、1ヶ月間毎日利用しても9,300円で済みます
多くの人は、無料で利用してます。
ご自身の利用料金が知りたい人は、市区町村の障害福祉課へお問い合わせください。
就労移行支援はこんな場所

次に就労移行支援はどんな場所なのかを簡単に紹介します。
就労移行支援で出来ること
就労移行支援では、下記のことができます。
- 就職に向けたトレーニングができる
- 就職活動のサポートを受けられる
- 職場定着のサポートを受けられる
簡単に内容を紹介すると

上記はあくまで一例です。
事業所によって出来ることは異なります
長く安定して働くことを目標に、就職準備・就職・職場定着までサポートを受けられます。
就労移行支援を利用するメリット・デメリット
就労移行支援を利用する前に、メリット・デメリットを知っておきましょう。
就労移行支援のメリット
- 就職後、長く安定して働ける
- 自信を持って就職できる(就職に対する不安がなくなる)
- 自分の障害への対処法を身につけることができる
- 体調管理・自己管理ができるようになる
- スキルアップできる
- 就職・職場定着サポートを受けることができる
- 専門スタッフからアドバイスがもらえる
- 似た境遇の仲間ができる
就労移行支援の一番大きなメリットは、「長く安定して働ける」ことです。
後ほどデータで紹介しますが、よい就労移行支援を利用した人は、就職後も長く働き続けられています。
また、就労移行支援の卒業生は、自信を持って就職できています。
筆者も自信を持って復職することができました
就労移行支援のデメリット
- 一定期間通う必要がある
- 費用がかかることがある(利用料、交通費など)
就労移行支援のデメリットは、時間とお金がかかる点です。
ただ、障害者は就職後(復職後)に、仕事を辞めたり、休んだりしてしまう人が多いです。
そうなると結局、時間とお金を失います…。
就労移行支援を利用することが、一番の近道かもしれません
就労移行支援をおすすめする人
就労移行支援は、こんな人におすすめします。
- 就職に対して不安がある人
- 仕事が長く続かない人
- 体調を崩して、何度も仕事を休んだり辞めたりした人
- どんな仕事をしたらいいか分らない人
該当する項目がある人は、利用を検討しましょう。
就労移行支援の正しい選び方

これから就労移行支援の正しい選び方を解説します。
実際に事業所へ見学に行き、下記5つのチェックポイントを確認してください。

詳しく見ていきましょう。
①就職実績
まず、確認してほしいのは「就職実績」です。
具体的には、
- 就職率(利用者数に対する就職者数の割合)
- 定着率(就職後、会社を辞めずに残っている人の割合)
を見てください。
というのも就労移行支援の中には、就職率・定着率が低い事業所が数多く存在するからです。
ここだけの話、全国の事業所の30%が就職率ゼロです…
参考:就労移行支援・就労定着支援に係る報酬・基準について(厚生労働省HPより)
就職につながらない、長く働けないでは利用する意味がないですよね。
就職率と定着率は、よい就労移行支援を見つける鍵です。
必ず確認しましょう。
②プログラム内容
就労移行支援は、事業所ごとにプログラム内容が異なります。
ベースとなるプログラムはどこも似たり寄ったりですが、力を入れているプログラムに大きな特色があります。
例えば
- 事務職に必要なスキルを身につけるプログラム(PCスキルなど)
- 専門スキルを身につけるプログラム(WEBデザイン、プログラミングなど)
- 障害への対処法を身につけるプログラム など
ご自身の目的にあったプログラムがあるかを確認しましょう。
うつ病の筆者は、心理療法のプログラムが多い事業所を選びました
③専門スタッフの人数
よい事業所には、専門資格を持ったスタッフが在籍しています。
専門資格とは
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 公認心理士
- 臨床心理士
- 作業療法士 など
専門スタッフがいる事業所は、就職率が高いというデータもあります。
事業所の利用者数に対して、専門スタッフの人数が十分いるかを確認しましょう。
筆者は、心理士にカウンセリングをたくさんしてもらいました
④事業所の雰囲気
事業所の雰囲気を確認するのも非常に重要です。
3点に注目してください。
- スタッフ
- 利用者
- 施設
見落としがちなのは、利用者の雰囲気です。
事業所によっては、利用者間でイザコザやいじめがあることも…。
これは実際に、体験入学しプログラムに参加しないと分かりません。
利用する事業所を決める前に、体験入学することをおすすめします。
⑤事業所の場所
最後に、事業所の場所です。
以下の2点を意識して選びましょう。
- 通いやすい
- 通勤練習になる
まずは「通いやすい」です。
就労移行支援は、最長で2年間通う場所です。
通いにくい場所であると、通いたくなくなります。
また「通勤練習になる」も大事な要素です。
卒業後に仕事をすることが目的ですから、本番を想定して練習する必要があります。
あえて電車やバスを乗り継いでいく場所を選択するのもいいでしょう。
仕事をする上で必要な、体力作りにもつながります
見学に行く時は、実際に利用する時と同じ交通手段で行き、上記の2点を確認してください。
- 就職実績(就職率、職場定着率)
- プログラム内容(自分の目的にあうか)
- 専門スタッフの人数(専門資格を持ったスタッフ)
- 事業所の雰囲気(スタッフ、利用者、施設)
- 事業所の場所(通いやすい、通勤練習になる)
就労移行支援 早わかり表

おすすめの就労移行支援を一覧にまとめました。
チェックすべきポイントをまとめているので参考にしてください。
就労移行支援おすすめ5選
LITALICOワークス | ミラトレ | atGPジョブトレ | Cocorport | welbe | |
---|---|---|---|---|---|
サービス名 | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() |
対象地域 | 全国 | 関東・関西・愛知 | 関東 | 関東・大阪・愛知・福岡 | 全国 |
事業所数 | 112ヶ所 | 14ヶ所 | 10ヶ所 | 61ヶ所 | 97ヶ所 |
就職者数 | 累計 10,000人以上 2020年度 1,302人 | 利用者の85% | 不明 | 累計 2,495人 | 累計 5,100人以上 2021年度 941人 |
職場定着率 | 90.0% | 90% | 91.4% | 88.2% | 89.3% |
プログラム内容 | HP参照 | HP参照 | HP参照 | HP参照 | HP参照 |
おすすめポイント① | 業界第1位 | 満足度90% | 障害別コース | 交通費・ランチ支援 | 業界第2位 |
おすすめポイント② | 企業インターン | 「dodaチャレンジ」も運営 | 「atGP」も運営 | 555以上のプログラム | オフィスワークシミュレーション |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |

それでは就労移行支援のおすすめを紹介します。
おすすめ①:LITALICOワークス

「LITALICOワークス(リタリコ)」は、就労移行支援業界の最大手で、累計10,000名以上の人の就職をサポートしてきた実績があります。
一人ひとりに合う「働く」を見つけていける200以上のプログラムが用意されており、その人の状況や目標にあわせて取り組めるようになっています。
また、企業インターンと呼ばれる、企業での職場体験実習を行なっており、その受け入れ先は全国になんと4500ヶ所以上あります。
企業インターンに参加することで、自分に合う職種や働き方を考えるきっかけになるでしょう。
LITALICOワークスは、これまでに数多くの人の就職サポートを行なっており、その経験やノウハウは他のどの就労移行支援にも負けません。
就労移行支援の利用を検討している人は、まず見学したい就労移行支援と言えるでしょう。
おすすめ②:ミラトレ

「ミラトレ」は、パーソルグループが運営する就労移行支援事業です。
パーソルグループは、「テンプスタッフ」「doda」をはじめとした、就職系サービスを幅広く展開しています。
障害者向け求人サービスとしては「dodaチャレンジ」が有名ですね。
就職系サービス全般の豊富な経験やノウハウを活かし、就職トレーニングだけでなく就職までしっかりサポートしてくれます。
これは他の就労移行支援にはない強みと言えるでしょう。
また、ミラトレの運営会社は、400人以上の障害者が社員として活躍しています。
障害者とともに働く経験が支援の土台になっているため、サポートの質が段違いです。
見学する事業所の一つに入れておいて損はないでしょう。
おすすめ③:atGPジョブトレ

「atGPジョブトレ」は、「シゴトライ」「リンクビー」「リドアーズ」「いそひと」「ベネファイ」が統合されたサービスです。
atGPジョブトレの特徴は、何と言っても障害別にコースが分かれているところです。
5つのコースがあります。
- うつ症状コース|うつ病、双極性障害、適応障害、不安障害のある人が対象
- 発達障害コース|発達障害のある人が対象
- 統合失調コース|統合失調のある人が対象
- 聴覚障害コース|聴覚障害のある人が対象
- 難病コース|難病のある人が対象
あなたの障害にあったプログラムを提供します。
また、障害別コースとは別に、Web制作スキルを学ぶ「atGPジョブトレIT・Web」もあります。
atGPジョブトレIT・Webは、専門スキルを身につけたい人におすすめです。
atGPジョブトレは、障害者の就職支援サービス「atGP」も併用可能で、就職活動までまとめてサポートします。
「自分の障害に特化したプログラムを受けたい」、「専門スキル(Web制作スキル)を身につけたい」という人は、ぜひ見学してみてください。
\障害別のコース制/
\Web制作スキルを学ぶ/
おすすめ④:Cocorport

「Cocorport(ココルポート)」は、元々はMelkと言う名前で運営されていた大手の就労移行支援です。
Cocorportが他の事業所と違うのは、交通費応援制度(上限1万円/月)とランチ応援制度があることでしょう。
就労移行支援の利用中は収入がないため、このサービスは嬉しいですね。
また、自己学習用のe-learningも充実しており、プログラミングやアドビ、簿記、英会話などのプログラムが受講可能です。
次の就職に向けてスキルアップしたい人におすすめです。
おすすめ⑤:welbe

「welbe(ウェルビー)」は、LITALICOワークスに次いで業界第2位の実績を誇ります。
welbeでは、通常のオフィスを再現したセンターにて、実務で要求されるビジネススキルの習得を目指します。
特に利用者に人気なプログラムは、オフィスワークシミュレーションです。
オフィスワークシミュレーションとは、ビジネス上で求められるスキルをロールプレイング形式で実践的に練習できるプログラムです。
ビジネススキルやコミュニケーションなど、会社で活躍するためのスキルを身につけることができます。
もしお住まいの地域に事業所かある人は、一度見学に行ってみてはいかがでしょうか。
就労移行支援を利用するまでの流れ

ここでは、就労移行支援を利用するまでの流れを紹介します。
step1:事業所を探す
お住まいの地域にある事業所を探します。
「就労移行支援 東京」のようにネットで検索すると、お住まいの地域の事業所がヒットします。
公式HPや評価・口コミ等を参考に、いくつか目星を付けましょう。
step2:事業所に行き、面談・見学・体験入学をする
事業所にいくつか目星を付けたら、面談・見学に行きましょう。
体験入学までできるとより良いです。
上で解説した「就労移行支援の正しい選び方」を参考にしていただければ幸いです。
事業所は必ず、2つ以上見学しましょう
step3:利用する事業所を決める
検討した事業所の中から利用する事業所を選びましょう。
面談・見学・体験入学で得た情報をもとに、自分の目的にあった事業所はどれかを考えましょう。
step4:障害福祉サービス受給者証を申請する
就労移行支援の利用先が決まったら、お住まいの市区町村の障害福祉課に行き、障害福祉サービスの受給者証の申請を行います。
障害福祉課の担当者から説明がありますので、必要書類を揃えて提出してください。
受給者証の発行までに約1ヶ月かかります。早めに申請を
step5:利用契約をし、利用開始
受給者証が発行されたら、事業所に行き利用契約を結びます。
契約が完了したら、就労移行支援の利用スタートです。
まとめ:自分にあった就労移行支援を見つけよう!

今回は、就労移行支援のおすすめを5つご紹介しました。
自分の目的にあった就労移行支援を見つけることが、就職成功への近道です。
事業所選びに迷ったら、今回紹介した就労移行支援に見学へ行きましょう。
- LITALICOワークス|業界第1位、企業インターンあり
- ミラトレ|満足度90%、「dodaチャレンジ」も運営
- atGPジョブトレ|障害別コース、「atGP」も運営
- Cocorport|交通費・ランチ支援制度あり、555以上のプログラム
- welbe|業界第2位、オフィスワークシミュレーションが人気